ブルックナー2題

最近、なかなかメインのオーディオの前で音楽を聞くことが難しいのですが、あるメーカーの(I−PODではない)MPプレーヤーに音を入れ、往復2時間半超の通勤で聴いています。一応ノイズキャンセラー機能も付いているようで、まずまず聴ける音です。

音源もCDだけではなく、DVDや録画した音楽番組からもMP3形式で音を採録し、これを聴くと画面付では気づかなかったことが聞こえたりで楽しいものです。

最近クラシック系で入れているものは、

ムーティスカラ座・リチートラ・グレギーナの仮面舞踏会(数年前の録画音源)
カラヤンザルツブルクファルスタッフ(DVD音源)
クライバーバイエルンのバラの騎士(DVD音源)
カラヤンザルツブルクのバラの騎士84年版(DVD音源)
・メスト・クリーブランド@フローリアン教会のブルックナー5番(ちょっと前の録画音源)
・上岡・ヴッパータール交響楽団ブルックナー7番(CDより)

etc.

まずは、この中でブルックナーの二つについて感じたこと。

上岡氏を知ったのは、実は5年ほど前にドイツの中都市に滞在したときに地元のイベントガイドを見て、KAMIOKAという指揮者の名前を見てから気になっていたのです。日本の評論家による論評は知りませんが劇場叩き上げ、というのに興味がありました。

このKamiokaによるシンバル・トライアングル付のブルックナー7番は、先日書いた例の超鈍速演奏です。CD2枚組みが通販で安くなっていたのでちょっと悪戯心で買ってみました。

改めて録音を聴くとこれが意外と聴けます。ホールの音響も大変に上等です。ただ、通常さくさくと進行してしまう4楽章のローギアー版は私にはもたれます。

一方のメストとクリーブランドがフローリアン教会で演奏した5番は、これはいい感じ。私の家はBS(アナログ)がCATV経由なので音質は万全ではないのですが、会場の音響とオケの腕に助けられて響きの感じが素晴らしいのと、恣意的なテンポがない自然な流れで、見通しがよく、テンポもやや快速。これは極上、いいです。

Kamiokaは劇場人ならではのサービス精神で7番を料理しすぎたのかも知れません。比較するべきではないですが、ほぼ同世代の二人によるブルックナー、今回はメストに一本。