映画 「クリムト」

一人で街中に出かけたので、見てみたいと思っていた映画の中から、「クリムト」を見ました。

眠ったわけでもないのですが、印象が思いのほか薄い映画でございました。きっと平日の忙しさが私の集中力と感性を低下させているのでしょう。

けだるそうなウィーンの街や病院の描写はリアルです。
時折登場する新聞売りが伝える負け戦のニュースに反応も示さぬ市民達。
梅毒患者が蔓延する街と病院。
秘密の娼館(?)のアフリカの間で遊ぶクリムト達。
(この場では茶屋遊びをする大石内蔵助を連想しました。)

クリムトだけではなく、皆が限りある命を見越して現実から目をそらし、刹那的な快楽を求めて楽しんでいる世紀末のウィーンの様子を描いているのでしょう。

クリムトが金箔を置く絵を手掛けている時にドアを開け閉めされ、金箔が部屋中に舞い散るシーンが印象的でした。