落語「胴切」

暑中お見舞い申し上げます。

私は某航空にのると、映画をみたあとは、クラシック音楽よりも大抵は寄席の番組を聞きます。

今回は故笑福亭松鶴の「胴切」を聞きました。不幸にも銭湯に行った帰りに、刀を買ったばかりのお侍の試し切りの餌食となった町人の話です。

が、落語ですから切られたこの人、まったく苦しまない。胴から上は不自由ながらも銭湯の番台でお仕事。胴から下は麩屋さんで踏み作業だけのお仕事。上は勝手に出歩かないし、下は無駄口をきかないし、ということで重宝がられます。

上は「暑くてノボセがちだから、足の三里に灸をしてもらってくれ。」と下半分に言付けると、下は下で「おしっこが近くて忙しいから、あまり水や茶を飲まないでくれ」と上半分に伝言をするという極めてシュールなお話でございます。

松鶴師匠ですと怖さもサラリ、可笑しさもさらりと流して、まっこと奇怪なこのお話が現実にありそうな気がして余計に怖く感じました。


さて、リアルの方のお話。出張先のご近所では屋外での音楽祭があり、有名チェリストの馬さんも明日出演され、こちらで知り合った音楽友達も揃われるようですが、私は同伴ゲストの買い物と飲食のお世話にて欠席です。なかなか思うようにはなりませぬ。

ということで、近況報告に代えます。どちら様もお体にお気をつけられてお元気でお過ごしください。