心の中では華夷秩序を狙う国

色々と中国のことを読んでいて、以下のようなトーンのエッセイを読みました。なかなか頷ける内容なので覚えている範囲で書いてみます。

華夷秩序という言葉があります。中華という世界の中心を軸に、中国は大中華、朝鮮半島が小中華、日本は東夷。中国は日本だけを支配下に置くことに失敗してきました。が、意識の深層では、日本を秩序の中の勢力下に置き、欧米に対等に、あるいは圧力をかけようと考えている。このように米や仏の人は見ているようです。

その現われが潜水艦による威嚇、これ見よがしの大陸棚掘削、靖国参拝に対する過度の干渉、そして大衆を煽って行なわせる抗日デモだと思います。かつて毛沢東は国内に5%の敵(=資産階級)を作り、これを大衆の攻撃目標に置きましたが、今はそれが日本に置き換えられています。

しかし日本は中国という生産基地と巨大市場を失うことが怖い。しかもかつてのニクソンのように頭越しに外交をされることが怖い。だから、米の顔色を伺いつつも、中国にも強い態度にでることができない。

しかし、中国という国体を見てみると脆弱な張子の構造が見え隠れします。都市部の深刻な水不足、野放しに近い公害、政府が輸入して特に安く販売しているガソリン価格、そして、1年間で公務員の汚職立件が4万人以上。

内部のタガが緩んでいるに違いないのです。かつて科挙で登用された役人は汚職を盛大にやって一族の財をなしたそうですが、今はそれが党や地方の幹部に置き換わっているだけです。法律もないのに突然課税される事などは日常茶飯事だそうです。この国は法治国家ではないのです。

体制が代わらない限り、この国の成長は近いうちに頭打ちになります。ですからこんなに日本を敵視する国とは、喧嘩しない程度のご近所外交をすれば良いのではないか、と思います。 どうするか? だまってニコニコと資本を引き上げれば良いのです。困るのはあちら側で、こちらは空洞化が戻って万々歳です。

市場がなくなる心配なんかないと思います。中国は放っておいても伸びが行き詰まる国です。むしろ、インドを市場と考えましょう。中国以上にインテリも多く、英語圏ですし、人口もいずれ中国を追い抜きます。


私は右翼ではありません。むしろ、学生時代に公務員を目指す仲間を斜めに見ていた左系の人間です。