井上喜惟指揮エルサレム響

学習院の講堂(立派なホールです)で井上喜惟指揮のエルサレム響を聴いてきました。

・バーバー、管弦楽のためのエッセイ第2番
チャイコフスキー、幻想曲フランチェスカ・ダ・リミニ
チャイコフスキーピアノ協奏曲第2番
ピアノのソリストは安達朋博という人。

指揮者もソリストも知らない人でしたが充実していました。
何しろ感動したのはオケの音色です。
とにかく弦楽器の音の肌理が細かく、しかも分厚く響くのです。
イスラエルフィルほどの知名度はないですが、立派なオーケストラサウンドを堪能させていただきました。

新国立劇場 ワルキューレ最終日に

別の日に前売りを買っていたのですが、事情が出来て友人の奥様に譲りました。

でもどうしても見て聴いておきたかったので、最終日の18日に初台に向かいました。

結果は正解、来てよかった、と実感しました。

歌手の皆さんが素晴らしい出来でしたし、東フィルさんも重心の低い太い音を響かせていて、ワーグナーを聴いている、という実感に浸ることが出来ました。

演出は前のTOKYOリングよりも少し落ち着いた感じでした。

オリジナルは20世紀のものなので時系列的には古く、そう思えるのかもしれません。

私はTOKYOリングも好きでしたが、こちらも舞台の各情景が綺麗な絵になっていて素敵だと思いました。

そして照明がなんとも美しい。舞台から遠い席でしたが見ている楽しみもありました。

それにしてもなぜウィーン国立劇場は同じ演目をかけるのでしょう。

東京の聴衆は1シーズンに2つもワルキューレを堪能するという贅沢を得たのですね。

ま、わたくしは先立つ物の関係で、ウィーンの公演には行けませんが(苦笑)

写真は入り口の巨大なフラワーアレンジメントです。

二期会 トリスタンとイゾルデ

昨日に二期会トリスタンとイゾルデの公演を聴いてきました。

ヘスス・ロペス・コボス指揮の読響が頑張っていました。実はもっと期待していましたが読響はピット専属ではないので、歌手との押したり引いたりは今一歩。でも、よく頑張られたと思います。

歌手の方々はイゾルデとブランゲーネの女性主役陣が大健闘、トリスタン役の人は三幕の最初に、体調不良ですが・・・、という舞台監督からのアナウンスがありましたが、頑張り過ぎなかったせいか最後まで歌い切りました。

演出はドイツの劇場との共同制作とのことで少し恐れていたのですが、突飛な読み替え演出ではありませんでした。
(おお、と思う箇所はありますが、歌詞の中のキーワードを拾えばこれも有りかな、と受けとめました。細かくはネタバレになりますので割愛します。)

セットは文化会館の制約を前提にしたのか、シンプルですが嫌味はありません。照明が綺麗で印象的でした。

今日と次の土日にも公演があります。オーケストラのアンサンブルの精度が上がって行く可能性もあります。
昨日の客席の入りを見た様子では、まだ席数は残っていそうですので、ワーグナーファンの方は検討なさって損はないと思います。

他)西洋美術館の世界遺産認定のせいか、お向かいの美術館から文化会館まで賑わっていました。文化会館のチケット改め口の近くにも、コルビジェの弟子の前川氏設計の、という説明パネルがありました。

春のウィーン旅行 備忘録

お久しぶりです。欧州生活を終えて帰国しています。

Hatenaのログインになんどか失敗してしばらく記事を投稿していませんでした。

帰国前の冬から春にかかる頃にウィーン旅行をしました。
もはや新鮮なネタではありませんが、忘れてしまう前の備忘録的として投稿しておきます。
演奏評や感想なんてえらそうなものは書きません。
ただひたすらウィーンの地に来て音楽を聴いている幸せを味わっていました。


2月20日 デニス・ラッセル・デイビス指揮 リンツブルックナーオーケストラ
      ブルックナー交響曲6番 
      楽友協会大ホール 平土間の真ん中あたりの席

2月21日 ゲルギエフ指揮 ウィーンフィル
      ワーグナー 神々の黄昏(抜粋)  
      楽友協会大ホール 平土間の席やや後ろ

2月22日 ゲルギエフ指揮 ウィーンフィル
      さまよえるオランダ人序曲、ドビュッシー 海
      ムソルグスキーラヴェル 展覧会の絵
      楽友協会大ホール 二階正面席


2月24日 国立歌劇場 コジ・ファン・トゥッテ

2月25日 国立歌劇場 マノン

2月26日 佐渡裕指揮 ウィーントーンキュンストラー 
      ベルリオーズ 幻想交響曲  
      楽友協会大ホール 平土間の左側の席

2月27日 ステファン・ゴットフリート指揮 ウィーンコンツェントゥスムジクム
      モーツァルト
      交響曲26番変ホ長調(KV184)、ディヴェルティメント11番ニ長調(KV 251)、
      フィガロの結婚から伯爵夫人の2曲、ドン・ジョヴァンニから2曲
      交響曲第38番ニ長調プラハ(KV504)
      楽友協会大ホール 二階の右サイドの席
      (翌月にアーノンクールの訃報を聞くとは・・・)

2月28日 宮廷教会でのミサ (ウィーン少年合唱団が少し登場)

2月28日 ヘレヴェッヘ指揮 シャンゼリゼオーケストラ
      ベートーベン コリオラン序曲、
      モーツァルト バイオリン協奏曲(Vn イザベル・ファウスト
      ベートーベン 交響曲4番 
      コンツェルトハウス 平土間の後方席



2月29日 国立歌劇場 セビリアの理髪師






3月 2日 エフゲニーキーシン ピアノリサイタル
      モーツァルトピアノソナタ第10番 ハ長調 KV 330
      ベートーヴェンピアノソナタ第23番 ヘ短調 op. 57「熱情」
      ブラームス:3つの間奏曲 op. 117
      アルベニスグラナダカディスコルドバアストゥリアス
      J・ラレグラ:ナバラ万歳
      楽友協会大ホール 一階の後方席

2015年イースターシーズン振り返り

お久しぶりです。
復活祭シーズンも終わりましたので、最近聴いてきたものの感想まとめをご報告いたします。
何も書かない頃の演奏会は、かなりの記憶が蒸発してしまいました。その反省を込めてです。

4月1日
エリオット・ガーディナー、イングリッシュバロックソロイスツ、モンテヴェルディ合唱団、
J.S.バッハ ロ短調ミサ
 理想の顔ぶれによる理想のロ短調ミサでした。重々しくなく、かといって軽くとばす感じにもならず。
 合唱団は8人がソロも務めました。アルトパートには2名のカウンターテナーもおられました。
 細かく書くと大変ですので詳細は書きませんが、細かい所まで研究をし尽くした解釈なのでしょう。
 二度繰り返されるホサンナは二回目は小さく始まりました。その前のベネディクトゥスに続くので
 二度目は小さいのだと思いますが、こういう発見も新鮮でした。

4月3日(聖金曜日
Paul McCreesh 指揮ガブリエリコンソート J.S.バッハ マタイ受難曲
 楽器は最少編成で、合唱団は8名だけです。少年合唱が重なる(はずの)ところで寂しい感じを覚えましたが
 新鮮なバッハでした。この団体もイギリスですが、なぜイギリスにはこんなに凄い団体が揃っているのでしょう。
 前々日のモンテヴェルディ合唱団がこれも歌ってくれたらなあ、とも思いましたがそれは無い物ねだりです。

4月6日(休日)
ジョナサン・ノット指揮マーラーユーゲントオーケストラ マーラー交響曲2番復活
 復活日の翌日の「復活」演奏でした。アバドさんの指揮で録音や放送で知名度の高い学生オケですが
 「復活」の演奏はこの団体にとっての初演なのだそうです。
 緊張感の高い素晴らしい演奏でした。表現力が乏しい私にはこれ以上は書けません。
 http://www.gmjo.at/Home/Konzerte/EasterTour2015/tabid/467/language/en-US/Default.aspx
 中規模の汎用ホールですのでオルガンは電子オルガンでした。

他にチャイコフスキー交響曲ラフマニノフのPコンチェルトとシエラザード、
という演奏会もあったのですが私にはピンときませんでした。
バッハとマーラーに押されて割を食ったのかも知れません。

イースター音楽祭ではありませんが
4月18日
 Laurence Equilbey 指揮Insula Orchestra オルフェオとエウリディーチェグルック
 私は全く事前に知識がなかったのですが、有名な指揮者で有名なアンサンブルのようです。
 http://laurenceequilbey.com/en/programmes/orpheus-and-eurydice/
 お客の入りもよく、演奏は力強くも軽快でした。この手のバロック演奏が増えましたね。

ご無沙汰していました。振り返りです。

1年以上ログインをしていませんでした。
過去の記事や画像を消されてしまわないためには、時々の更新が必要なのかも知れない、と思い当り、久しぶりに記事を更新します。

今年の夏のAix en Provence 音楽祭では、小さな事故がありました。そして、その影響は私には大きなものでした。

2014年の屋外会場での出しものは「イタリアのトルコ人」と「アリオダンテ」、屋内劇場では「魔笛」だったのですが、「イタリアのトルコ人」の初日に予想外のことが。

ご存じのように今年はブラジルでワールドカップがあったわけですが、そのトーナメント戦で地元フランスと隣国ドイツが対戦する羽目に。そしてその試合の日と時間が「イタリアのトルコ人」の開演の直前なのです。

この音楽祭を目的の一つとしてこちらに来ていた家人と「偶然だね、音楽家達も気になるかもね。雨は降っているけれど止むといいなあ・・・。」なんて話をしていたのです。が、なんと当日の18時半頃、突如音楽祭の公式ウェブサイトに「ストライキのため、本日の公演はキャンセル、払い戻しの手続きは・・・」との記事が載ってしまったのです。

多分劇場の裏方たちのユニオンが、この大事な試合を見逃しては大変だ、と急遽ストライキをやらかしたのでしょう。あいにくとフランスは優勝国のドイツに敗退してしまいますが。

私はこの公演以外には「魔笛」を買っていただけでした。アリオダンテは日程の関係で安心して買える日が無かったのです。屋外オペラの終演は深夜一時頃になってしまいますから翌日に仕事のある日の公演は買えませんので、余計に選択肢は少なく。

ということがあり、今年の音楽祭は(私には)しらけたものとなってしまったのです。雨の止んだ夜空をむなしく見上げるだけの夜でございました。
http://www.festival-aix.com/fr/node/1963

パトリス・シェロー逝く

パトリス・シェローが亡くなられたそうです。

たまたま劇場のチケットを買おうと思ってサイトに立ち寄った時に
この記事を見つけました。


http://www.festival-aix.com/blog/patrice-chereau-nous-a-quitte/
(グーグル翻訳などをお使いください。)

夏前に彼の演出のエレクトラを観ることが出来、しかも
カーテンコールで舞台に登場し、挨拶する姿を見たばかり。

私はなんと彼が最後に演出した作品を観ることができた訳ですね。

私が学生の頃に、彼の名前を知り、しばらくしてレーザーディスク
(時代を感じます)でバイロイトで収録した指環を観、
そしてたまたまこの地で最後の舞台に立ち会えた偶然の僥倖を
噛みしめました。

シェローさん、やすらかに。


追記)
まだエレクトラの動画が見られるようです。
視聴地域が限定されたりしていませんように。
http://liveweb.arte.tv/fr/video/Elektra_Richard_Strauss_Festival_d_Aix_en_Provence_Esa-Pekka_Salonen_Patrice_Chereau/