“La damnation de Faust”

ぽっ、と予定の空いた日曜日。

新国立のファビオ・ルイージ指揮のカヴァレリア・パリアッチの当日券を買うか、久々のデュトワ指揮のN響の当日券を買うか少し迷ったのですが、やはり好きなデュトワのしかも十八番でもあるベルリオーズの「ファウストの劫罰(この表現は難しいので「地獄落ち」としましょう)」の方に行ってきました。

指揮/シャルル・デュトワ
メゾ・ソプラノ/マルグリット:ルクサンドラ・ドノーゼ
テノールファウスト:ジャン・ピエール・フルラン
バリトンメフィストフェレス:サー・ウィラード・ホワイト
バス/ブランデル:佐藤泰弘
ソプラノ/声:天羽 明惠
合唱/二期会合唱団、東京少年少女合唱隊

私はNHKホールでのN響はコスト重視で「場外席」(自由席)を選ぶのですが、今日は内野ライト側に座席を取りました。なにせ久々のデュトワベルリオーズ、多少は聴きこんでみたかったのです。

結果は正解でした。テノールのフルランの声はとても柔らかい声。うーん、フランスの声ですね。ホワイトは昨晩の公演の後で咽喉の調子が悪く、治療しての出演とのアナウンスでしたが、今日は崩れることもなくキャラクター役のメフィストフェレスを好演してくれました。ルーマニアのメゾのドノーゼは良いメゾですね(美人だし・・・(笑))。日本のソプラノの星の天羽さんの声が最後にほんの少ししか聴けないというのも贅沢なことです。デュトワ氏も音楽監督時代と変わらず端正な棒を振っておられました。この人はN響の楽員から今でも慕われている気がしました。

私はこれまでファウストの地獄落ちを生で聞き損ねていました。レコードやCDでも通して聴くのは骨の折れる曲です。ようやく通して聴くことが出来ました。やはり長い曲ですね。こういう曲は再生装置の前で聴くよりも、やはり実演を聞くにしくはない、という感があります。

これを休憩なしで上演したものですからご近所のおば様おじ様は途中で飴玉を出そうとゴソゴソやっておられました。演じるほうも聴くほうもお疲れ様でした。


さて、北斎風は考えて置きましょう。