お彼岸、野球、そして運命の力

何だかんだと週末は実家での打ち合わせか、家での家事手伝い(お使いとも言います)で忙殺されていましたので、お彼岸の今日、予定通りに新国立劇場に行ってまいりました。

亡き母の性格から言っても、前売りを友人と共に買った公演に行かなかったら、そちらのほうを不愉快に思うでしょうから。

新国立劇場に家から直行する場合には私は車を使います。電車ですと乗り継ぎ乗り継ぎ&乗り継ぎであまりにも遠い初台なのですが、車ですと渋滞さえなければ45分程度でいけますので。

今日は自宅から5分程度の所で友人をピックアップ。「やぁやぁ久しぶりだね、実は心配させちゃ悪いから言わなかったんだけど、うちの母がね・・・」と雑談をしながら、東名−首都高経由で山手通りに。

往路はラジオでワールドベースボールクラシックスの中継を聴きながらです。会場に着いたらホワイエのモニターの前に人だかりが。なるほど、ここでも中継を映していたのですね。

写真は上から写したその群集です。(あいにくアングルが悪くスクリーンが写っていませんが)。我々が席に向かおうとした頃に拍手が聞こえました。どうやら試合が終わったのでしょう。まずはおめでとうございます。

肝心の運命の力、このオペラは私にはどうも掴み所の無い難物です。序曲とPace, Paceは有名ですが他に個人的に好きなのは合唱の一部やラタプランなど。バリトンとテナーが重要な役にもかかわらずヴェルディお得意の男性二重唱も短か目で。

さてこの公演のオケは、井上氏指揮の東響。序曲は思いのほかテンポを遅めに落した箇所がありましたが、ブラスにハリがありまずは快演。インテンポの指揮者の録音や公演(ムーティ&スカラの来日)しか知らないので少し違和感はありましたがこれはこれでリリカルな音楽解釈でしょう。

歌手ではレオノーラは声の揺れも許容レベルで、まあグーかな。アルヴァーロの声は細めですが声が自然に出ている感じで搾り出すタイプが苦手な私向き。カルロもまずは上出来だと思います。プレツィオジッラの坂本さんも色気も声もよかった。音楽は全体にゆったり目かな、と思いました。血が沸き起こるヴェルディ節ではないのが私には少し不満です。(あくまで個人的感想ですが)

演出については音楽の邪魔をしなかったので、ま、黙して語らず、です。衣装はまあまあ真っ当な所ですかね。

ということで、お彼岸の中日、まずは良い気分転換をさせてもらいました。


野球中継を見る人々